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フィリピン就職インタビュー(Aki)

フィリピン就職インタビュー(Aki)
チャレンジしなければ何も変わらない
Aki
27歳
日系広告企業勤務(編集者兼デザイナー)
Face to Face English Schoolを卒業されてから、マニラの日系広告企業に就職されたAkiさんのインタビューです。美大を卒業後、デザイン関係の仕事を続けてこられましたが、いつも心の中にあった「フィリピン」が忘れられず、就職にチャレンジすることになりました。フィリピンに対する思いや人生観についても語ってくださっています。

日本での仕事について教えてください

美大を卒業して、グラフィックデザインの会社に就職しました。平面媒体系のポスターやリーフレット、チラシなどを作ったりする仕事をしていました。途中で転職もありましたが、基本的には4年間ずっと広告業界で働いていました。

仕事は自分にあっていましたか?

仕事自体は楽しかったですね。デザイン関係の仕事は自分のやりたいことでしたし、スキルも磨けたので。基本的にはデスクの上で淡々とする仕事でしたが、ある程度一人で自己完結できるし、性格的にもあっていたと思います。

どのような性格ですか?

人と話すのは好きなのですが、何かを創るときは集中したいので人とのかかわりを断ちたいタイプですね。小さいころは、どちらかというと黙々と絵を描いたりしていたタイプです。

小さいときから絵やデザインに興味を持たれていたわけですね

▶写真は幼い頃のもの(フィリピンにて)

絵やデザインに興味を持ったのは、実はフィリピンがきっかけです。私は生まれも育ちも日本のフィリピン人ハーフなのですが、子供のころはちょくちょく親に連れられてフィリピンの親戚に会いに来ていました。その当時最大のネックだったのが言葉の壁でした。でもそんなとき、一番のコミュニケーションツールが絵でした。子供たちみんなで絵を描いたりしてコミュニケーションを図っていました。

そこで、絵の素晴らしさに気づきました。「おー!伝わるぞ」ということに感動したのを覚えています。それから絵がどんどん好きになりました。小さい頃に感じたその思いをずっと今でも仕事にできているので感謝なことですね。

当時英語は話せましたか?

私の両親の場合、結婚当初は英語ベースで会話をしていました。そのうちお母さんが日本語を覚えていったので今はほとんど日本語で話していますが、当時は英語を日常生活の中で聞いていたので、少しは理解できました。
小さいころからそうやって英語を聞いていたので、小学生の頃は「早く中学生になって英語をもっと勉強したい」といつも思っていました。
ただ、高校に入って挫折しましたが(笑)。英語の授業についていけなかったです。壁は高かったです(笑)

仕事の中で英語を使う機会はありましたか?

まったくなかったですね。大学時代から7、8年くらいは英語を全然使っていませんでした。

日本での仕事も楽しかったし、英語もあまり話せない状態だったということですが、どうしてフィリピンに来られたのですか?

そうですね。うまく言えないですが、このまま日本にいて、日本人としてだけ暮らすというのが嫌だったのです。
せっかく縁があってハーフに生まれたのだから、自分のルーツの半分であるフィリピンのことを知らずに過ごすのは嫌だ…30歳を手前にして、ふとそう思ったのです。

そのように考えるようになったきっかけはあったのですか?

最初のきっかけは、自分の友人が青年海外協力隊(JICA)でタンザニアに赴任していったことでした。タンザニアなんて、こんな機会でもなければなかなか行けないと思い、思い切って友人に会いに行ったのです。そこで会った友人は、すでに現地の言葉がペラペラでした。
自分はハーフなのにどうして日本語しかできないのか…というショックと、違う国の人たちと言葉を通じて交流ができていいなぁ…といううらやましい気持ちがありました。

そしてもう一つの理由が、ちょうどその当時、日本での仕事が充実はしていたのですが、もっといろいろなものを吸収して自分のスキルや感性をどんどん高めていきたいという気持ちが強かった時期でした。その当時の状況ではそれがなかなかかなわず、何とか打破したいという思いもありました。

もちろんこのまま日本に残って、将来結婚して家庭を築くこともいいけれども、そうすると自分の本当にやりたいことが後回しになってしまうかもしれないという怖さはありました。どうせチャレンジするなら若くて体力のあるうちにしたほうがいいと思ったわけです

なにより、このまま日本だけに縛られて一生を終えるはすごく悲しかったので、なんとかしてフィリピンに行きたい思いが強かったです。

デザイン的に日本とフィリピンの違いは何か感じますか?

やっぱり全然違いますよね。人種とか文化によってテイストの違いはあると思いますが、フィリピンの場合、特に色づかいが元気ですね。日本では見られない独特なデザインもありますし。そういったものにどんどん触れて、自分なりに吸収したいと思います。

一般的にデザインは見かけが大事というところもありますが、どのような過程でデザインするに至ったかを考えるのが大切だと思います。そのデザインまでたどり着くプロセスといった方がいいかもしれません。こういう思いでこんな図を配置した、こんな意図があってこういう配列にした…など。現在、編集部でローカルのデザイナーと一緒に働いているのですが、意図をもってデザインする大切さ、そういった深いところもしっかりと考えることができるようなデザイナーに育つよう、今後共に向上していけるよう頑張っていきます。

少し人生観や幸せの基準についてお聞きしたいのですが、先ほども話に出ていたように、日本にいればプライベートも充実していて、仕事も順調で、言葉の壁も問題なかったわけですよね。それって客観的に見れば幸せな状況だと思うのです。けれども、それらに固執するのではなく、あえてフィリピンでのチャレンジを選んだのはなぜでしょうか?そこに別の種類の魅力や幸せがあるのでしょうか?

幸せに関しては、消去法ですが、まず、お金ではないですね。ただ、場所には固執しています。フィリピンで何かをしてみたいという思いです。それが幸せにつながるのかどうかはわかりませんが、フィリピンにこだわっているのは間違いないです。
決してフィリピンの生活を楽観視しているわけではないですし、その文化なども理解しています。最初は親しい友達もいない、日本語も通じない、いろいろと勝手が違うことも出てくる。けれども、そこには何らかのやりがいがあると思います。

英語、タガログ語、異なる文化のデザイン、一から仕事を組み立てていくスキルなど、自分の経験にプラスになるようなことがたくさんあると思います。それが幸せなのかどうかはまだわかりませんが、フィリピンにくることで吸収できることがたくさんあるというのが大きな魅力でした。

自分自身のモットーや信条などはありますか?

迷ったらとりあえずやるということですね。迷っているということは、気になっているということですし、その場合、本心ではやりたいと思っていることが多いわけじゃないですか。まあ、悪く言えば後先を考えないということかもしれないですが、まずは何でもやってみたいですね。

日本人の場合、「迷ったあげく結局しない」ということが多いと思いますが、迷ってチャンスを逃すのは怖いと思っています。私もいっぱい失敗してきたので、もう怖いものはないですし(笑)

そんなに失敗したのですか?

はい、受験も失敗しましたし、その後仕事を一度退職してからJICAも受けたのですが、それにも失敗しました。退路を断って捨て身でいったのに受からなかった(笑)
私の場合、フィリピンでどうしても何か活動がしたかったので、「フィリピン限定」を条件にしてJICAを受けたのですが、もしかすると地域を限定すると厳しかったのかもしれないですね。

紆余曲折あって、最終的にフィリピンにある日本人経営の広告会社で内定をもらったわけですが、今後のプランはありますか?

先のことは漠然とは考えています。もし続けられるのなら、海外で働き続けたいですね。場所を問わず。可能であれば、将来、パートナーと一緒に海外で働ければいいなとは思います。
今後どうなっていくかはわかりませんが、何事もチャレンジしていきたいです。

今のところは順調に予定通りきている?

はい。今のところ、順風だと思います。英語を学べて、フィリピンで就職が決まって、順調に進んでいます。たぶん、自分の本当の気持ちを我慢していたら、ここまで来れなかったと思います。
私が仕事を辞めてJICAを受けたり、なんとかしてフィリピンに行きたいという真剣な姿勢を見て、両親は快く理解してくれました。

私自身、幼いころの体験が根底にありましたし、私のルーツであるフィリピンに対する憧れのようなものもありましたので、そういったところを両親も理解し、素直に喜んでくれました。

自分のルーツや生き方に対して悩んだことは?

昔は、ハーフだっていうことは絶対に言わなかったですね。なんていうか、やっぱりちょっとイメージがあるじゃないですか。日本独特のイメージが。アメリカ人とのハーフとか、イギリス人とのハーフと言えば「すげー!」みたいなイメージがあると思いますが、でもフィリピン人とのハーフの場合「あぁ…」みたいな(笑)

本当はもっと堂々としていればよかったのにそれをなんとなく恥ずかしいと感じてしまっていました。親戚のフィリピン人たちはみんな優しくて、小さいころはたくさん楽しい思い出があったのに、なぜかオープンにできず隠してしまっていました。

でも、もしかするとその反動なのかもしれませんが、自分の中で抑圧していた部分があっただけに、今になってその閉ざされたところを探りたいと思ったのかもしれません。
それで、今になってまた「フィリピン」というところに興味を持つようになったわけです。

最後に、Face to Face English Schoolに留学されてきて、自分にとって英語に対する考え方は変わりましたか

よく言われることですが、英語とはツールだと思います。
先生たちと話していると、「あぁ、今私は英語でコミュニケーションをとっているんだな」と思うときがあります。
でも、まだまだ思うように自分の言いたいことを伝えられない場合も多いです。なので、もっともっとこのツールを知ることができて、お互いの深い部分をわかりあいたいと願っています。

Face to Face English Schoolに来てから、久しぶりに英語を学ぶことの楽しさを思い出してワクワクしています。たまに難しくて落ち込みますが(笑)
とにかく、英語というツールを使って、相手がどういうことを考えているのか、もっと知りたいという気持ちが強くなりましたね。今後も継続的に英語を学び、自分の生活に活かしていきたいです。

ありがとうございました

◎Akiさんのフィリピンライフに関するブログ
http://hello-hello-trip.tumblr.com/

◎Akiさんの作品集
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