若い男性のHIV感染、性に保守的なフィリピンで拡大
HIV感染者の急増が目立つフィリピン。首都マニラから南にバスで2時間のところにある港町バタンガスを訪ねた。ここでは、性的少数者のためのNGO「ワガイワイ・イクオリティ(WE)」が、HIV検査や予防、治療へつなげる活動を行政と連携して担っている。
フィリピンでは、抗HIV薬を感染予防のために使う「曝露前予防(PrEP)」が2017年ごろから全土に順次拡大。HIV検査や抗レトロウイルス治療も原則、自己負担なしで受けられる。
にもかかわらず、HIV、エイズの問題に取り組む国連機関、国連合同エイズ計画(UNAIDS)の推計によると、2023年のHIV新規感染者数は2010年の6.6倍の2万9000人に増えた。男性間、とくに若い世代で急増している。
国民の8割強がカトリック信者のフィリピン。性に対しては保守的で、HIVやエイズへの偏見は根強い。検査や治療に至るまでの心理的なハードルが高く、支援団体の役割は重要だ。
参考元:https://globe.asahi.com/article/15432766