フィリピン 中国船の放水銃により高まる緊張
南シナ海の南沙諸島にあるフィリピンが実効支配する環礁アユンギン礁。その付近の海上で中国海警局船舶がフィリピンの巡視船などに対し放水銃で進路を妨害し、両国が互いを非難するなど緊張が高まっている
事件が起きた海域がフィリピンのEEZ内であることなどから比外務省は駐比中国大使を呼んで厳重に抗議した
こうした抗議に対して中国は「南沙諸島海域にフィリピン船舶が不法に侵入した。このため法律に従って阻止した」と行動を正当化した
中国は南シナ海の大半が自国の海洋権益が及ぶ「九段線」内として主張
しかしフィリピンが2014年にオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所(PCA)に違法性を訴え、PCAは2016年に「九段線には国際法上の法的根拠がなく、国際法に違反する」との判断を下した
しかし中国はこの判断を無視して現在に至っている